動物との触れ合いを通して、子どもたちに笑顔と学びを届ける移動動物園「みにZOO」。プレーリードッグやマーラ、フクロウ、爬虫類など、さまざまな種類の動物を飼育している。人と動物が向き合う中で、命の大切さを伝える一人の女性の思いに寄り添う。
動物が好き、その思いが原点に
「物心ついたときから動物が好きでした」と話すのは、移動動物園「みにZOO」の代表西山由紗さん。小学校低学年の頃、水族館で見たイルカショーに感動したことをきっかけに、動物への興味を深めていった。
市内の高等学校を卒業後は、沖縄の専門学校へ進学し、動物について総合的に学んだ。その後、ハブショーに携わる中で、爬虫類に対して恐怖心や先入観を持つ人が多いことを実感したという。「爬虫類に対して怖いというイメージを持つ方が多く、配慮を欠いた扱いが見られる場面を目にすることがあった。その場面にショックを受け、爬虫類に対する先入観を少しでも減らしたい、興味を持ってもらいたいという思いが強くなった」と振り返る。
その経験から、「動物をより身近に感じてもらいたい」という思いが芽生え、令和6年に移動動物園「みにZOO」を立ち上げた。
変えるならまずは地元から
「同郷の人が動物への配慮を欠いているのを想像するのが一番嫌だった」。そうした思いから、西山さんは地元に戻り、活動を始めることを決めた。
現在、動物たちは全て実家で飼育している。普段の世話では、一匹一匹の性格に合わせて接することを大切にしているという。
沖縄で飼っていたヘビなどを連れて帰る際、お母さまは戸惑いを見せていたそう。「最初は嫌がっていたが、動物たちが安心して暮らせるように部屋を整える中で、一緒に手伝ってくれた。今では『かわいいかも』とかわいがってくれている。妹も活動を手伝ってくれていて、家族の支えが現在の活動につながっている」と笑顔で話してくれた。

動物と人をつなぐ現場
みにZOOでは、「動物とできるだけ近い距離で触れ合えること」を大切に活動しているという。
来場者は1時間に100人ほどになることもあるが、一人一人に声を掛けることを心掛けているそうだ。「ヘビが苦手だった方が、触れ合いを通して『意外とかわいい』と言ってくれたときは、意識が変わったようでうれしい」と笑顔で語る。
また、移動動物園ならではの特長について、「施設などから外出が難しい方の元へ動物を連れて行き、触れ合いの機会を届けられることが大きな魅力」と話す。
市外でのお話会やえさやり体験も行っており、移動の際は動物への負担を考え、長時間移動や未舗装道路を避けるなど細やかな配慮を欠かさない。
動物と共に生きる未来へ
「動物の魅力は、うそ偽りのないところ。ありのままの姿で人の心を和ませてくれる存在だと思う。少しでも多くの人に、動物のかわいさや命の尊さを伝えていきたい」と語る西山さん。
「動物との関わり方を知ることで、将来、動物たちが安心して暮らせる環境を作っていきたい」とこれからの目標を教えてくれた。
「人のとなりに」とは・・・
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。